職場の環境づくり

環境づくりのポイント

情報提供を行った後、取り組みの反響や従業員の声を聞き取り、見えてきた課題・ニーズに対して、新たに社内制度の整備、職場の理解を深めるはたらきかけを行っていくことが、職場の環境づくりにおいてポイントとなります。

■介護に直面した従業員に対して、
 ➡介護にかかる負担を減らすことで、仕事との両立を支援

■職場の体制に対して
 ➡「お互い様」の気持ちで介護に協力的なチームづくりを促す

介護に協力的な職場となることで、介護に直面した際も、一人で悩みを抱えることなく、上司や部下・同僚に相談しやすくなります。また、周りのサポートがあれば、介護のために休みを取りやすくなり、仕事と介護を両立しやすい職場となります。

介護相談窓口の設置

介護の相談は複雑で専門性が高いため、従業員からの相談に対し、人事担当者として対応しきれない場面もでてきます。
こうした事態に備えて、介護に特化した専門の相談窓口を社外に設ける企業もあります。

介護相談窓口が活用されるタイミングとしては、大きく分けて3つあります。

①入院などをきっかけに介護が始まる直前
②在宅介護を始めるためのケアマネジャー探し
③親の様態が悪化し施設介護を検討し始める際の施設探し

いずれも、両立環境を整えるための準備段階で負担がかかる傾向にあります。
介護保険制度は非常に複雑なため、自身で調べようとすると大変手間がかかります。そのため、日頃から従業員へ相談窓口を案内しておくことで、いざという時でも専門家に相談し、介護の負担を軽減することができ、仕事とも両立しやすくなります。

職場の理解と協力

介護は従業員のプライベートな出来事ですが、一人で悩みを抱え続けることは業務への影響も考えられるため、職場全体で介護を理解し、「お互い様」の気持ちで支えていく必要があります。

仕事と介護を両立できる職場体制の構築

「本人」「上司」「同僚」それぞれが介護について事前の準備、理解を深めておくことで、いざという時も介護に協力的な職場につながります。

本人の心構えとして、以下のような将来に向けた準備が大切となります。

■ケアマネジャーを信頼し、何でも相談する
■介護保険サービスを利用し、自分で介護をしすぎない
■日頃から家族や親せきと良好な関係を築く
■介護を深刻にとらえすぎず、自分の時間を確保

特に、職場内おいては、自身が介護に取り組んでいることを職場に伝えておくことで、 介護が発生した際も、スムーズに両立を実現することができます。

直属の上司は、介護について相談する最初の窓口です。
そのため、上司として、部下が相談しやすい雰囲気を職場内でつくる必要があります。

また、突然の欠員を想定して職場内のフォロー体制を強化しておくことも上司の役目となります。日頃から担当者のジョブローテーションを行うなど、各業務の整理・見直しを進めることで、介護のために休みを取りやすい職場環境につながります。

上司だけでなく同僚も、フォロー目線で介護について理解を深めておくことが大切です。

職場の誰が突然介護に遭遇するかわからないことや、その際はフォローが必要になるということを職場の全員が認識し、日頃から業務の情報を共有するよう心がけましょう。
引継ぎしやすいよう事前にデータ・書類の整理を行っておくことで、介護のために欠員が生じた際も、滞りなく業務を進めることが可能となります。

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